更訂 H28.12.7



  陰でする行い



 人が見ていなくても、悪い行いをしてはならないというところです。

〔聖者・聖人の教えを見聞きしたことがない人に對して、〕
 単純なのですが、こういう事柄が意外と深いのかもしれません(よ)。

 みなさんは出来ていますでしょうか。


〔この教えは、短く単純ですが、意味深く、重要な教えであるのでとりあげています。〕



『もしお前たちが苦しみを嫌うなら、人が見ていても、人が見ていなくても、悪いことをしてはいけない。

 もし悪いことをしたり、またこの先、悪いことをしようとしたなら、たとえ空を翔けて逃げ隠れしようとも、
 お前たちは苦しみから逃れることはできない』





  子供たち

 このように私は聞きました。
 あるとき、世尊はサーヴァッティ市外のジェータ林のアナータピンディカ長者の園におられた。

 さて、そのとき、多勢の子供たちがサーヴァッティとジェータ林との間で魚をいためつけていた。

 そのとき、世尊は衣を着けて外衣を手にとって、サーヴァッティの町へ朝の托鉢に入られるところであった。

 世尊は、多勢の子供たちがサーヴァッティとジェータ林のとの間で、魚を痛めつけているのをご覧になって、子供たちのところへ行って、おっしゃられた、

「子供たちよ、お前たちは苦しみがこわいだろう。

 苦しみは嫌だろう」

「師よ、その通りです。

 ぼくたちは苦しみがこわいです。

 苦しみは嫌いです」


ときに、世尊はそのことを知って、そのときこのウダーナを唱えられた、

「もしお前たちが苦しみを嫌うなら、人が見ていても、人が見ていなくても、悪いことをしてはいけない。

 もし悪いことをしたり、またこの先、悪いことをしようとしたなら、たとえ空を翔けて逃げ隠れしようとも、
 お前たちは苦しみから逃れることができなくなるのだよ」と。





















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