更訂 H28.12.12


  盲信・邪まな思い込み・邪見による邪行と、正しい信・正しい思い・正見による正行の報い



『探らず、究めずして、そしるべき(非難すべき)人を称讃し。
 探らず、究めずして、称讃すべき人をそしる。

 これらの二法を成就せる愚者、不明なる不善人は、損傷し失壊したる自己を保護する。
 また、罪あり、智者の呵責するところである、また、多くの非福を生ずる』


『探り、究めて、そしるべき(非難すべき)人をそしり(非難する)。
 探り、究めて、称讃すべき人を称讃する。

 これらの二法を成就せる智者、賢明なる善人は、不損傷、不失壊の自己を保護する。
 また、罪なく、智者に可責せられず、また、多くの福を生ずる』


『賭博のために、財産も自身もともに一切を無くしても、この過ちは重くはない。

 善に対して腹立てる、この過ちこそ、よりいっそう重い。

 ニラッブダの歳十万と、四十一のアッブダと。

 聖をそしり、悪語・悪意を起こして、地獄へ到る』





  二法

 比丘たちよ、これらの二法を成就せる愚者、不明なる不善人は、損傷し失壊したる自己を保護する。
 また、罪あり、智者の呵責するところである、また、多くの非福を生ずる。

 何を二と為すのか。

 探らず、究めずして、そしるべき(非難すべき)人を称讃し。
 探らず、究めずして、称讃すべき人をそしる。

 比丘たちよ、これらの二法を、成就せる愚者、不明なる不善人は、損傷し失壊したる自己を保護する。
 また、罪あり、智者の呵責するところである、また、多くの非福を生ずる。


 比丘たちよ、これらの二法を成就せる智者、賢明なる善人は、不損傷、不失壊の自己を保護する。
 また、罪なく、智者に可責せられず、また、多くの福を生ずる。

 何を二と為すのか。

 探り、究めて、そしるべき(非難すべき)人をそしり(非難する)。
 探り、究めて、称讃すべき人を称讃する。

 比丘たちよ、これらの二法を、成就せる智者、賢明なる善人は、不損傷、不失壊の自己を保護する。
 また、罪なく、智者に可責せられず、また、多くの福を生ずる。



 比丘たちよ、これらの二法を成就せる愚者、不明なる不善人は、損傷し失壊したる自己を保護する。
 また、罪あり、智者の呵責するところである、また、多くの非福を生ずる。

 何を二と為すのか。

 探らず、究めずして、信認してはならないところを、あえて信認し。
 探らず、究めずして、信認すべきところを、あえて信認せず。

 比丘たちよ、これらの二法を、成就せる愚者、不明なる不善人は、損傷し失壊したる自己を保護する。
 また、罪あり、智者の呵責するところである、また、多くの非福を生ずる。


 比丘たちよ、これらの二法を成就せる智者、賢明なる善人は、不損傷、不失壊の自己を保護する。
 また、罪なく、智者に可責せられず、また、多くの福を生ずる。

 何を二と為すのか。

 探り、究めて、信認してはならないところを、あえて信認せず。
 探り、究めて、信認すべきところを、あえて信認する。

 比丘たちよ、これらの二法を、成就せる智者、賢明なる善人は、不損傷、不失壊の自己を保護する。
 また、罪なく、智者に可責せられず、また、多くの福を生ずる。



 比丘たちよ、これらの二において邪に行なう愚者、不明なる不善人は、損傷し失壊したる自己を保護する。
 また、罪あり、智者の呵責するところである、また、多くの非福を生ずる。

 何を二と為すのか。

 母と、
 父である。

 比丘たちよ、これらの二において、邪に行なう愚者、不明なる不善人は、損傷し失壊したる自己を保護する。
 また、罪あり、智者の呵責するところである、また、多くの非福を生ずる。


 比丘たちよ、これら二において正しく行なう智者、賢明なる善人は、不損傷、不失壊の自己を保護する。
 また、罪なく、智者に可責せられず、また、多くの福を生ずる。

 何を二と為すのか。

 母と、
 父である。

 比丘たちよ、これらの二において、正しく行なう智者、賢明なる善人は、不損傷、不失壊の自己を保護する。
 また、罪なく、智者に可責せられず、また、多くの福を生ずる。



 比丘たちよ、これらの二において邪に行なう愚者、不明なる不善人は、損傷し失壊したる自己を保護する。
 また、罪あり、智者の呵責するところである、また、多くの非福を生ずる。

 何を二と為すのか。

 如来と、
 如来の弟子である。

 比丘たちよ、これらの二において、邪に行なう愚者、不明なる不善人は、損傷し失壊したる自己を保護する。
 また、罪あり、智者の呵責するところである、また、多くの非福を生ずる。


 比丘たちよ、これらの二において正しく行なう智者、賢明なる善人は、不損傷、不失壊の自己を保護する。
 また、罪なく、智者に可責せられず、また、多くの福を生ずる。

 何を二と為すのか。

 如来と、
 如来の弟子である。

 比丘たちよ、これらの二において、正しく行なう智者、賢明なる善人は、不損傷、不失壊の自己を保護する。
 また、罪なく、智者に可責せられず、また、多くの福を生ずる。



 比丘たちよ、これらは二法である。

 何を二と為すのか。

 自心の清浄と、
 世の中の所有する物を、執らないことである。

 比丘たちよ、これらは二法である。



 比丘たちよ、これらは二法である。

 何を二と為すのか。

 忿と、
 恨みである。

 比丘たちよ、これらは二法である。


 比丘たちよ、これらは二法である。

 何を二と為すのか。

 忿の調伏と、
 恨みの調伏である。

 比丘たちよ、これらは二法である。





  四法

 比丘たちよ、これらの四法を成就せる愚者、不明なる不善人は、損傷し失壊したる自己を保護する。
 また、罪あり、智者の呵責するところであり、多くの非福を生ずる。

 何を四と為すのか。

 調べず、究めずして、讃めてはならない人を讃め。
 調べず、究めずして、讃めるべき人をそしる。

 調べず、究めずして、信認してはならないところを、あえて信認し。
 調べず、究めずして、信認すべきところを、あえて信認しない。

 比丘たちよ、これらの四法を、成就せる愚者、不明なる不善人は、損傷し失壊したる自己を保護する。
 また、罪あり、智者の呵責するところであり、多くの非福を生ずる。


 比丘たちよ、これらの四法を成就せる智者、賢明なる善人は、不損傷、不失壊の自己を保護する。
 また、罪なく、智者に可責せられず、多くの福を生ずる。

 何を四と為すのか。

 調べ、究めて、讃めてはならない人を讃めず。
 調べ、究めて、讃めるべき人を讃める。

 調べ、究めて、信認すべきでないところを信認せず。
 調べ、究めて、信認すべきところを信認する。

 比丘たちよ、これらの四法を、成就せる智者、賢明なる善人は、不損傷、不失壊の自己を保護する。
 また、罪なく、智者に可責せられず、多くの福を生ずる、と。


 そしられるべき(非難されるべき)者を讃め、讃められるべきをそしる人、
 彼は、口にて過ちを積み、その過ちのため楽を得ない。

 賭博のために、財産も自身もともに一切を無くしても、この過ちは重くはない。

 善に対して腹立てる、この過ちこそ、よりいっそう重い。

 ニラッブダの歳十万と、四十一のアッブダと。

 聖をそしり、悪語・悪意を起こして、地獄へ到る、と。



  四事

 比丘たちよ、これらの四事において、邪行する愚者、不明なる不善人は、損傷し失壊したる自己を保護する。
 また、罪あり、智者の呵責するところであり、多くの非福を生ずる。

 何が四であるのか。

 比丘たちよ、母において邪行する愚者、不明なる不善人は、損傷し失壊したる自己を保護する。
 また、罪あり、智者の呵責するところであり、多くの非福を生ずる。

 比丘たちよ、父において邪行する愚者、不明なる不善人は、損傷し失壊したる自己を保護する。
 また、罪あり、智者の呵責するところであり、多くの非福を生ずる。

 比丘たちよ、如来において邪行する愚者、不明なる不善人は、損傷し失壊したる自己を保護する。
 また、罪あり、智者の呵責するところであり、多くの非福を生ずる。

 比丘たちよ、如来の弟子において邪行する愚者、不明なる不善人は、損傷し失壊したる自己を保護する。
 また、罪あり、智者の呵責するところであり、多くの非福を生ずる。

 比丘たちよ、これらの四事において、邪に行なう愚者、不明なる不善人は、損傷し失壊したる自己を保護する。
 また、罪あり、智者の呵責するところであり、多くの非福を生ずる。


 比丘たちよ、これら四事において正行する智者、賢明なる善人は、不損傷、不失壊の自己を保護する。
 また、罪なく、智者に可責せられず、多くの福を生ずる。

 何が四であるのか。

 比丘たちよ、母において正行する智者、賢明なる善人は、不損傷、不失壊の自己を保護する。
 また、罪なく、智者に可責せられず、多くの福を生ずる。

 比丘たちよ、父において正行する智者、賢明なる善人は、不損傷、不失壊の自己を保護する。
 また、罪なく、智者に可責せられず、多くの福を生ずる。

 比丘たちよ、如来において正行する智者、賢明なる善人は、不損傷、不失壊の自己を保護する。
 また、罪なく、智者に可責せられず、多くの福を生ずる。

 比丘たちよ、如来の弟子において正行する智者、賢明なる善人は、不損傷、不失壊の自己を保護する。
 また、罪なく、智者に可責せられず、多くの福を生ずる。

 比丘たちよ、これらの四事において、正しく行なう智者、賢明なる善人は、不損傷、不失壊の自己を保護する。
 また、罪なく、智者に可責せられず、多くの福を生ずる、と。


 母と父において、
 また、如来(・正自覚者)と如来の弟子において、
 邪行を行なへば、この人は、数多くの非福を生ずる。

 父母に對する(邪)行の、その非法より、智者たちは、この世で彼を呵責する。

 また、(その非法の者は)死しては悪道へ赴く。


 母と父において、
 また、如来・正自覚者と如来の弟子において、
 正行を行なへば、この人は、数多くの福を生む。

 父母に對する(正)行の、その正法を、智者たちは、この世で彼を称讃する。

 そして、死して天国に喜ぶ、と。





















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